複雑な計算を一瞬で行うLS-DYNA

複雑な物理現象を解析するツール

非線形・動的・流体構造達成シミュレーションツール「LS-DYNA」。…と言われても、一般の人には「?」しか思い浮かばないかもしれません。

「LSーDYNA」は、学界や産業界などでは広く活用されているシミュレーションツールで、複雑な物理現象を効率よく解析することができます。LSーDYNAが、どのような場面で使われているかというと、たとえば工業製品の設計現場などで使われます。

たとえば、自動車に使われるパーツなどは、衝突事故などに遭遇した場合の変形・ゆがみなどを十分に考えて設計されなければなりません。あらゆる状況を考えて慎重にシミュレーションしながら、設計を行っていくには、LSーDYNAのようなシミュレーションソフトが役立つというわけなのです。

自動車部品の設計だけでなく、さまざまな物体の設計・研究にLSーDYNAは活用されますし、金属のプレス成形や鍛造成形や、ゴム材料、プラスチック部品の変形や強度、破壊の状態などを知るためにも、LSーDYNAでのシミュレーションが大いに役立てられています。

LS-DYNAの活用事例

実際にLSーDYNAを導入した企業での活用事例としては、たとえば「株式会社ウチダソーキ」では、自動車部品のプレス加工の際における新工法・技術の開発やプレス加工の工程短縮・最適化のためにLS-DYNAを役立てています。

最適な形状を作り出すためには、複雑な計算を行わなければなりませんが、LSーDYNAを導入することでこの計算時間が大幅に短縮、開発における最適な製品パラメーターを速やかに決定することができるようになりました。

また、別の現場では、LS-DYNAをフォークリフトの動作の解析に使用しています。凸凹のある路面を走行する時のフォークリフトのタイヤやフレーム周りの応力解析を行うことにより、フォークリフトの走行負荷を調べたり、走行負荷や転倒時のクラッシュに耐える構造を新たに予測するなどのツールとして役立てられています。