LS-DYNAでできるさまざまなシミュレーション

活用用途が広い構造解析ソフト

LS-DYNAをはじめとする構造解析ソフトウェアはさまざまな場面で活用されています。なかでもLS-DYNAは、衝撃や、落下、塑性変形など、複雑な非線形現象をスピーディーに高精度で計算することができる構造解析ソフトウェアで、さまざまな用途があります。

たとえば、LS-DYNAを活用した身近な事例として「自転車が転倒した場合の解析」というものがあります。自転車の転倒事故は、身近に起こりうるものですが、転ぶ場所や転んだ時の乗員の状態などによって受ける衝撃はかなり変わってきます。イレギュラーに変化する転倒事故の解析というのは、身近な事例でありながらいざデータとして収集しようと思うと、なかなか難しく、数値で表すにも複雑な計算が必要になってくるため、かなり厄介です。そこでLS-DYNAを使用し、自転車の転倒解析を行いました。

「(ヘルメットの顎紐締め忘れ)縁石あり」や「(ヘルメットなし)縁石あり」「(ヘルメットあり)縁石あり」「(ヘルメットあり)縁石なし」など、状況に応じた解析を行うことにより、ヘルメットを正しく装着することがいかに重要であるかをシミュレーションすることができました。

いろいろなシミュレーション

また、こちらは自転車転倒に比べて発生頻度の少ない事例ではありますが「家屋内の爆発によるシミュレーション」なども、行わうことができます。

家屋の爆発など大規模なシミュレーションの場合、実物の家屋を使って検証するということはなかなか難しいことが多いので、LS-DYNAのようなソフトウェアでシミュレーションができるというのは、設計や防火対策の現場などでは非常に役立ちます。家屋内の爆発では壁や屋根が破壊されることはもちろんですが、破片が広範囲に飛び散ることも予想され、自宅だけでなく周辺にも被害が及ぶことが考えられます。

このほかにも、土木の現場などでは「爆薬を用いた岩盤の破壊」についてのシミュレーションが役立てられたり、金属加工などの現場では、プレスマシンの圧延加工によるシミュレーションなどが業務の効率化などに役立てられます。